2016-06-09

シンガポールの”アツアツ”フードテック競争

こんにちは。宮崎です。

隔週~月一でWedgeさんに寄稿しているASEANスタートアップ最前線ですが、今週は“アツアツ”フードテックと題し、シンガポールのフード系スタートアップのトレンドを紹介しました。

詳しくは記事を見て頂ければと思いますが、簡単に記事の要約をしますと…

1)従来のフードデリバリープラットフォーム「フードパンダ」の勢いに陰りが見られ…
2)ロジスティクスに強みを持ったUBER、DELIVEROOがシンガポールに進出したり…
3)自前でキッチンを持つGRAINモデルが登場したり…
4)シンガポールならではのスタートアップも台頭

という感じです。

今回、特に紹介したいのがUBERのデリバリーサービス・UBER EATSです。

UBEREATS はオーダーしてから18分でご飯を届けてくれた

これは実際のオーダーの完了画面なんですが、オーダーしてからなんと20分以内でご飯が届きました。これだけ速くオペレーションをこなしているのですから、待機ドライバーに走行ルートとオペレーションを指示しているだけではなく、レストラン側の注文システムと連携してすぐにレストラン側も食事を用意できる体制を整えているものと推察されます。

暑くて外を歩く気にもならず、スコールのような通り雨も多いシンガポールでは、このようなサービスは非常に嬉しいです。

雨と言えば、お!と思わせたのが、DELIVEROOの天気連動です。

Deliverooの天気連動サービス

雨の日にアプリを起ち上げると、上画像のような感じで少し配達が遅れる見込みがあることを事前に教えてくれます。お腹がすいているのでオーダーしているわけですから、ユーザー側はたった数分の遅れも嫌なわけで、そういったユーザーへの細かい気配りがあると、リピート率も上がるのかな、と感じました。

フードデリバリーのビジネスでキーとなる要素を下記5つに分解してみました。

1)品揃え(メニュー量の多さ)
2)価格(注文しやすさ)
3)決済方法(クレジット/現金)
4)配達/ロジ(速さとクオリティ)
5)カスタマ-対応(クレーム対応など)

が挙げられると思いますが、中々全てをこなし、かつ莫大な利益を挙げているといわれるスタートアップは、シンガポールではまだ無いように思います。個人的な見解になりますが、「品揃えの質」、「価格と配達速度のバランス」、この2つをいかに攻略し、利益を創っていくのかが特に重要な気がしています。

品揃えの質、というのは、つまり、美味しいメニューをどれだけ揃えられるか、という点です。フランチャイズのお店や、人気のレストランは、知名度がありますから、デリバリーのメニューに一たび加えられればユーザーはこぞってオーダーします。一方で、レストラン側は、そもそも人気店なので、わざわざプラットフォームに頼る必要も無い。このあたりの交渉をいかにスタートアップが有利に事を運べるか、地道に開拓できるか、というのが大事な気がします。

「価格と配達速度のバランス」というのは、デリバリーですので、ドライバーへの費用が嵩むわけですが、当然オンデマンドですぐに配達する場合はそれだけドライバーさんを雇わなければいけませんし高くつきます。一方で、前日までのオーダーなどの場合は配送ルートにゆとりを持たせ、一人のドライバーさんで多くのフードを効率よく運べるため、コストはおさえられる一方、ユーザーは時間を犠牲にしなければいけません。安さをとるか、スピードをとるか。このバランスが非常に肝になってくる気がしております。

私はシンガポールに来て一年ですが、この一年で、フード系スタートアップの数がかなり増えた印象です。果たして、誰が市場を制覇するのでしょうか。今後も注目していきます。

 

 

 

 

 

 

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