2016-01-23

マレーシアのタクシー配車アプリ戦争 ~Uberによる価格革命~

こんにちは、宮崎です。先週はシンガポール、今週前半はインドネシアのジャカルタで投資先のサポート、後半はマレーシアのクアラルンプールで投資家の友人へ挨拶周りと近況報告をしてきました。3日間で15つのミーティングをこなし…ヘトヘトです。

クアラルンプールへは2ヵ月ぶりに来たのですが、とにかくタクシー配車アプリのUberの料金設定が安くなっていてビックリしました。どうやら、今週から価格の改定を行ったようです。

クアラルンプール国際空港から中心地のKLセントラルまでのKLexpress(成田エクスプレスのような電車)が、1月から片道1人当たり35MYRから55MYRに値上げした一方で、Uberは一台当たり90MYRから75MYRに値下げしておりました。仮に空港からKL市内へ移動する場合、KLセントラル問わず、市内ならどこへでも一律です。これは復路でも同じで、KL市内のどこから乗っても空港までは一定料金です。仮に3人で移動した場合、1人当たり片道たったの25MYR(日本円で約700円)。激安です。

普通に市内を移動する場合も、レートが安くなっていました。マレーシアには、メーター制の一般タクシーでは2種類あります。一番安いメータータクシー(Budget Taxi)は、赤い色をしているので、私は赤タクと呼んでいます。一方で、高級タクシー(Executive Taxi)は青い色をしているため、青タクと呼んでいます。私個人の感覚ですが、赤タクを使った場合の三分の二から半分くらいの価格で済みます。木曜日、最も混雑する6時台に、モントキアラという少し離れた郊外からブキビンタンという中心地区までUberで移動しました。この時間はジャカルタ・マニラ並の渋滞が発生するのですが、6時に出発して、やっとこさ7時に目的地に着きました。なんと、たったの20MYR。もし青タクに乗っていたら60-70MYRはいきます。もはやバカバカしくて青タクは使う気になれません。

加えて、リンギットのお得感が増して増して仕方がないです笑。ここ一年で1MYR=35円付近から25円付近になりました。日本円に換算すると、更にタクシーでの移動がお得に感じます。ちなみに、マレーシアの料理は、正直シンガポールよりも美味しく笑、日本料理も充実しているので、ランチやディナーは少しFancyなレストランで和食を食べることも多いのですが、お財布に優しいです。

また、Uberは価格だけではなく、ドライバーさんとの会話が楽しいです。なぜか、スタートアップ、レストランや不動産経営をしている人が多く、目線と情報感度が高い気がします。移動中、私がベンチャーキャピタリストで優良なスタートアップを探しているんだと話すと、〇〇は知っているのかとか、△△は知っているのかとか、現地の情報を教えてくれます。びっくりしたのは、ドライバーが投資先企業のCOOの友人だったことでした。こんなことは中々他の地域では起きないので不思議です。移動中も休みなく話し続けるので、大変疲れてしまうのが唯一の悩みです笑。

ちなみに、ドライバーさんに、値下げしたことをどう思うのか?とぶっちゃけトークしてみました。なんと、私が払う料金の8割が彼らの収入になるということです。本日乗ったドライバーさんは、一日2-3時間毎日仕事終わりに運転するそうです。Uberは、ドライバーさんが走れば走るほどインセンティブを与えているそうで、このインセンティブ込で、2000MYR(5万5千円程度)が月の収入になるとのことです。実際、今週から値下げしたが、そのおかげで利用者の総数は増え、結果的に全体の収入は増えている気がする、と言っていました。お財布の紐を奥さんに握られてる旦那さんとかにはうってつけの小遣い稼ぎになるな…なんて感じた次第です。

マレーシアでは、地元企業のグラブタクシーもキャンペーンを活発化させており、もはや戦争は激しさを増すばかりです。二つの企業の戦いの様子はWedgeさんの記事にも書いておりますので、ご覧ください。

さて、やっと仕事が終わりましたので、今からシンガポールに帰ります。。。

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